火炎温度の比較
| メタン | プロパン | プロピレン | エチレン | アセチレン |
|---|---|---|---|---|
| 2780ºC | 2800ºC | 2900ºC | 3000ºC | 3300ºC |
溶断ガスの性能面で最も重要なことは火炎温度で、溶断ガス中最も火炎温度が高いガスです。
燃焼生成ガス単位当たりの発熱量は4339kcal/m³と溶断ガス中最高であり、また着火温度が305ºCと低いので、点火し易く、又燃焼範囲が広いので火炎の調節がし易く作業し易いガスです。
酸素の消費量は溶断ガス中最も少なくプロパンの約1/4です。
アセチレンは、カルシウムカーバイド (CaC2) を水 (H2O) と反応させることより得られます。発生したアセチレンの不純物 (PH3等) を、清浄装置により除去します。次に圧縮機によりアセチレンを圧縮し、油分と水分を除去した後、容器中の多孔質物 (マス) に浸潤した溶剤 (アセトン及びDMF) に加圧溶解させて充填します。
| 化学式 | C2H2 |
|---|---|
| 分子量 | 26.04 |
| ガス密度 (0ºC、1atm) | 1.171g/l |
| ガス比重 (0ºC、1atm) (対空気) | 0.908 |
| 沸点 (1atm) | −83.8ºC |
| 融点 (1.26atm) | −80.55ºC |
| 揮発性 | 有 |
| 引火点 | −17.7ºC |
| 発火点 | 305ºC |
| 爆発範囲 (空気中) | 2.5〜100 (vol) |
| 燃焼範囲 (空気中) | 1.5〜80.5 (vol) |
カーバイドは1892年にカナダのウイルソン (Willson) により初めて試作され、1894年にフランスのモワッサン (Moissan) がカーバイドについて詳細な研究を発表している。工業的な製造は、1895年アメリカのノースカロライナ州ウイルソンアルミニウム社で開始された。
国内においては、カーバイドが輸入されたのは日清戦争後で、アセチレンランプとともに輸入され、灯台用として使用された。製造が開始されたのは1902年で、藤山常一氏により仙台市郊外の三居沢に「カーバイド製造所」が設立された。藤山氏は、のちに、電気化学工業株式会社、日本カーバイド工業株式会社、チッソ株式会社の創設に関わり、「カーバイドの父」と呼ばれた。
カーバイド工業は、藤山氏により製造が開始され、発展し、照明用から溶断・溶接用、石灰窒素原料用へと開発が進められ、更に、1930年代に有機合成原料として開発が進み、使用され、1960年代に石油化学工業が台頭するまで日本の化学工業の重要な地位を占めていた。